病棟のカンファレンス室の本棚に置いてあった『死をみとる1週間』(医学書院)という本の中に、S. Cassidyという人の言葉が紹介されていたのを見つけました。
「無力であることの大切さを、私は徐々に学びました。
そのことを私は自分の人生や仕事から体験しました。
死にゆく人は、われわれは神ではないことを知っています。
ただ、見捨てないで欲しいことを願っているのです」
死にゆく人を「見捨てない」というのは、どういうことでしょうか?
死期が迫っても朝夕の診察に病室を訪れることも、そのひとつかもしれません。
先日の緩和医学会では、患者さんと、ごく普通の日常的な会話(例をあげておられたのは、病院の近所にあるケーキ屋のチーズケーキがおいしかったわよ、というような会話)をかわすことも大事だと言われていました。
病院に入院していても、普段の生活に関する話をすることによって、患者さんは「人間らしさ」を取り戻せるのだそうです。
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