2014年6月23日月曜日

新薬師寺での定点観察

 今日ようやく、念願の新薬師寺行きが果たせました。

 東大寺や若草山は、月曜日にもかかわらず、大勢の観光客や修学旅行生でにぎわっていましたが、奈良公園から少し南東にはずれたところに位置する新薬師寺には、訪れる人もあまりありませんでした。

新薬師寺本堂
この中に薬師如来と十二神将がいます

 本堂に入って目が暗さに慣れてくると、薬師如来の周りを囲む十二神将像がしっかりと見えてきました。今では塑像の地肌も見えて色褪せていますが、出来た当時はけっこう派手な彩色だったそうです。

軒先も美しい

 この新薬師寺は、病弱で眼病を患っていた聖武天皇の病気平癒のために、光明皇后が建立されたとされています。今から1200年以上も前の話です。元は、現在の敷地の7〜8倍の広さがあったそうですが、落雷や嵐、焼き討ちなどでほとんどの建物が失われ、今では本堂(元は食堂だった?)だけが残り、ここに他の寺から移された十二神将がまつられています。
 薬師如来は心身の障害を癒す働きを持っているとされているので、今で言えば医者のような存在だったようです。

 実は、今から数年前に、薬師如来を病院長に見立て、その周りを各科の部長やスタッフが守護するという漫画を描いたことがあります。このときは、十二神将の実物をまだ見たことがなく、写真だけを頼りに描きました。

 この時以来、いつかは本物の十二神将を見たいものだと思っていました。
病院の秋の文化祭のために描いた漫画

 今日、薬師如来と十二神将の周りを何度も回って眺めながら、毎年一度ここを訪れて、その時々の自分の立ち位置を振り返ってみるのも面白いかもしれないな、と思いつきました。
 今回は第一年目で、麻酔科医から緩和医へギアチェンジをしようとしている転機の年。
 二年後、三年後…新薬師寺を訪れてみたとき、十二神将の前で何を考えているか、自分の思いを「定点観察」してみるのも面白いかもしれません。
十二神将の一人、因達羅(インダラ)の絵葉書。
毎年一人ずつの絵葉書を集めてみようかしら?

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